高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

認知症の方が苦手な物

 義母が認知症を発症してから嫌いになったものある。それは、チカチカ点滅するもの。まずは車のイモビライザー(車の盗難防止装置)。思い返すと、私の亡くなった父もそうだった。(父の場合は、すぐに車を処分したので、長くそれに煩さされることはなかったが)。義母から車を取り上げるのは、私にはできかねていて、夫が義母を買物に連れて行くときに義母の車を使っているので残っているし、わが家の車も義母の目に入ってしまっている。夕暮れが早くなると、どうしても車のチカチカが見えてしまうようで、それが気になってたまらないようだ。暗くなると、よく我家にやってきて、「車のエンジン、消し忘れてるよ!」だったり、「バッテリーがダメになったようだよ」と忠告に来てくれる。「あれは、車の泥棒除けだから、大丈夫ですよ」と言っても、一度では納得せず、一緒に行って「泥棒さんに、盗難除けしてある車だから盗難出来ないよ」って合図をしているんだと説明。その時は一旦納得するが、また数日すると気になるようだ。それの繰り返し。何とか煩わしさをなくす工夫をしなければ。

 それからガラ携帯の電話やメールの着信の点滅。点滅するたびに私のところへ持ってきて、「煩わしくてならない」と嘆く。「チカチカが煩わしいので、もう携帯電話はいらない!」とも。「チカチカは煩わしく申し訳ないけれど、すぐに私が消すから、携帯電話は何かあった時のために持っていてくださいね」となだめるが、チカチカを見ると、そこから意識を逸らすことがとても難しそうだ。

 昨夜は、「台所で何かチカチカしてヤダ!!」と駆け込んできた。台所の換気扇がお掃除時を知らせるアラームだった。アラームを消し、「明日一緒に掃除をしましょう」となだめたが、その後お湯を沸かしたら、今度は正常に動いている合図の点灯が始まり(これは日常ガスを使うときには必ず使用中に点灯している)今度はそれが気になって、気になって仕方ない。

 こうして、過敏に気になるものが溢れている日常は、どれだけ疲れることだろう。どんな工夫をしたら、過敏にならずにゆったりと生活できるだろう。今後の大きな課題になりそうだ。