高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

結婚式後の義母の様子

 起立性調節障害で苦しんでいた高校生のみゆきは、修学旅行や体育祭、吹奏楽コンクールなど大きな行事があると張り切ってアドレナリンを全開にして頑張る。けれど行事が終わると、とてつもなく疲れ果て絶不調に陥る傾向にあった。子供時代に同居していた私の大伯母もそうだった。60代を過ぎた頃からメニエール病を発症し、身内の結婚式など大きな行事があると、日頃の体調の悪さなど、信じられないぐらい元気になるのに、行事が終わると途端に長く床に臥せる人だった。

 今回の孫の結婚式、コロナ禍のせいで延期に延期を重ね、やっと2年ぶりに実現することになった式だったので、義父母もとても楽しみにしていた。認知症を発症してしまったせいで、外出するのがとても億劫になって、あれほど社交的だった義母は、仲の良かったお友達に熱心に誘われようが、気分転換のショッピングやドライブに誘おうが、固辞するようになっていたのに。何か月も前から、「祖母の衣装はやっぱり黒留袖がいいよね。いや、黒留は母親が着るだろうから、訪問着にしようか」などと私と一緒に箪笥から出したりしまったり。何度も義母から呼び出されて、着物の手入れをしたり、小物を揃えたり、と実に楽しそうだった。

 しかし、結婚式は、台風の最中。前日は歴史に残るような大きな台風の暴風雨のため一日中雨戸を締め切ったまま。次の日の結婚式が本当に開催されるのかどうか始終ハラハラしながら過ごして、とてつもなく疲れたに違いない。結局、いまだ台風の強風域の中にある時間だったにもかかわらず、幸い結婚式は無事開催されることになったものの、準備していた着物を着るのは無理、との判断で洋装になってしまった。さぞ残念だったことだろう。

 着物は着れなかったものの、孫の計らいで、プロの美容師さんにきれいに髪をセットしていただき、数年ぶりのフルメイクで臨んだ結婚式。2年遅れで台風の中催された結婚式に、大いに感動したに違いない。最近は家族と、デイケア施設の方々としか接していなかったので、多くのゲストに人酔いしなかったかと心配したが、式や披露宴の間中、始終ニコニコと楽しそうで、美味しそうに食べ慣れないご馳走を平らげる義母に、心底ほっとした。

 意外なことに、次の日の元気さにも嬉しビックリ。みゆきが帰京するので、義父母にあいさつしたいけど、もしかして疲れてまだ休んでいるかもしれないとためらったが、杞憂だった。早くから起きだして、食事も済ませ、庭仕事を始めようとしていた。もしかして、しばらくしてから疲れが出るのかもしれないと、心配しながら様子を見ているが、予想に反していたって元気。むしろ、前よりも元気で吹っ切れてもいるような。楽しい刺激は、義母にはお薬になるのかもしれない、という新たな発見!!!

 

 楽しい刺激、与えてみよう!!!