高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

みゆきに会いに行って来た

 私自身の心の安定のために大きな気分転換をしたくて、みゆきに会いに東京へ行って来た。突然思いついたので、彼女の仕事が立て込んでいたら会えないかもしれないとも思ったが、それならそれで日常と違う場所で、一人非日常な何かをすればいいと割り切って。そしたらありがたいことに、みゆきが師事しているカメラマンさんが、せっかく親御さんが上京しているのだからと日頃はあり得ない3連休を下さった。おかげでたっぷり彼女と非日常を楽しめた。介護の毎日をしているとなかなかできない美術館巡りをし、好きなアーティストのライブにも行った。ショッピングはもともと好きではないが、目の保養のためのウインドーショッピングをし、美味しい食事もした。

 彼女と待ち合わせをする時、ここ数年で激変してしまった渋谷の街で迷子になりそうになりながら、8年前一人旅すら未経験で、極度に具合の悪かった彼女を、一人受験旅行に放り出してしまったことを大反省。どんなに不安だったことだろう。みゆきに会う早々「あんなに具合の悪かったあなたを一人、受験旅行に放り出してごめんなさい」と謝ったら、「ははは、もしやお母さん迷子になったの⁈」と大笑い。「おかげでたっぷり鍛えられました。もう何も怖いものはありません」と彼女。本当に強くなったものだ。合流してからは、私の荷物を軽々と持ち、サッサさっさと歩く姿にまた改めて感心。でも、ああやって放り出したからこその今だと密かに思っている私。

 年齢的に起立性調節障害になりやすい時期を抜けたというのもあるのかもしれない。しかし、”自分が動かなければ前へ進めない”ということを大学受験のタイミングで実感できたことは、彼女にとって大きな転機になったのではないかという気がする。

 高校時代の絶不調の時期にあのまま受験を諦め、停学をしたり浪人をしたり、入院をしたり、あるいは家に閉じこもってしまっていたらどうなっていただろう。回復はもっともっと遅れたのかもしれないし、苦しむ時間も確実に長くなっていたはずだ。そうなっていたとしても、それはそれで得ることはたくさんあったののかもしれないが、自分が動きたいと思ったあのタイミングで、少し(彼女にとっては少しではなく沢山かもしれないが)無理をしながらでも、前へ進んだのが彼女にとっては、好転への大きなチャンスになったのではないかと、今では思える。

 来週はまた、山登りしながらの撮影があるそうだ。人生2度目の登山。今度はハイキング登山とは呼べない、クライミングもあるハードなものになるらしい。体力がついて、新しい世界が広がる喜び。後日談が今から楽しみで仕方ない。

   都会暮らしの一日に歩く歩数は半端ない。私の東京滞在中の平均歩数は一日にほぼ1万5000歩。地元にいるとたくさん歩こうと気を付けていても平均5000歩がやっと。せっせと歩いたことで病気を克服に導いてもらったみゆき。いっぱい歩いて、ますます貴重な経験を積んでいくことだろう。