高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

ぬか喜びの予感

 病気の診断がつき、薬の処方もなく、再診の予約も必要ない病気ということで、本人も家族も心底安堵した。しかし一日、また一日と回復を待っているうちにふと底知れぬ恐怖がわいてきた。軽い運動をすれば治ると断言されたが、いつになったら運動できるのだろう。今のところ運動どころか、起き上がることも、食事すらままならない。

 もうしばらく休養すれば、起き上がれるようになるのだろうか?しかしいつまで休養したらよいのだろう?症状は一向に快方に向かわない。それどころか食事もできないせいでますます顔色も悪い。具合も悪い。動けない。思うように体が動かないもどかしさで、みゆきのイライラが募る。

 自分の部屋に閉じこもり焦燥感を抱えながら臥せっている娘。顔を始終突き合わせてはいないものの、娘の部屋から家じゅうに伝わってくる負のオーラ。真っ暗なトンネルに閉じ込められたような息苦しさと不安が家族を圧倒していた。