高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

2021-01-01から1年間の記事一覧

顔に縦縞

義母が嫌な夢を見た次の朝は、独特の表情をしている。睡眠不足で、顔色が悪い。その上、何というのだろう、顔にガーンとたれ線が入っているのだ。ちびまる子ちゃんなどの漫画で落ち込んだ様子を表すときに顔に垂れるように描かれる縦線。正にあんな感じ。あ……

夢と現実の区別

この2,3年だろうか、義母がよく夢の話をするようになった。夢で誰かが自分を責めていたとか、大喧嘩したとか、孫の誰かが失職して帰省したとか、大抵はネガティブな夢。初めはこんな夢を見たと話していたのに、それがいつの間にか現実に思えてくるようだ。…

とうとうやっって来たその日

義父が5週間の手術入院を経て帰宅した。退院の手続きは私だけで済ます予定が、できるだけ早くに会いたいと思ったのか、珍しく義母も一緒に行くと言い出し、義母を同伴した。入院費は「20万円入っているから」と封筒を預かり、私が支払って、お釣りをもとの…

ミステリーⅢ

義父が入院して家を留守にして4週間ほど。「けんか相手がいなくて寂しい」と義母。物忘れの度合いは、毎日ガチャガチャ喧嘩してストレスを溜めていた義父と過ごす 日々に比べるとずっと軽いように思える。一緒の時には、「自分だけが家事をしなくてはならず…

介護者の心の安定

介護と言っても、まだ病人の生活全般を支えるような大変な介護は始まっていない。ただ物忘れが始まった義母の通院に同伴し、薬を管理し、買物を手伝い、探し物をするくらい。洗濯、掃除、食事の支度は義母がしている。週に2回午後から半日でかけるデイケア…

消えた洗濯物と消えた着替え

入院中の義父からリハビリ用のズボンが一枚もないとの連絡が入って、困った。先日入院手続きの書類を病院へ届けた時に預かったのは、Tシャツ一枚だったので、入院時に持参した新品の5本のズボンはまだなくなっていないだろうと思っていたのだ。しかしすでに…

ミステリーⅡ

義父が手術入院から退院して、リハビリ専門の病院に転院することになった。会えなくなって2週間になるので、義母も一緒に義父に会いに行こうと考えていた。が、転院の朝になって「行かない」と言い出した。「具合が悪いわけではないけど、何か行きたくない」…

鍵の不便

義父が膝の手術のために入院して10日あまり。その間義母は一人暮らし。「一人だと寂しい」とは言うけれど、朝はゆっくり起きて、好きな時間に食事をし、怒鳴りあいのない毎日はリラクシングで体調はすこぶる良さそうだ。気のせいか、記憶の方も調子良さそう。…

忘れにくいことは何だろう?

認知症の人が忘れるのは、主に新しい記憶で古い記憶は残っていることが多いと聞く。新しいとは、どのくらい新しい記憶なのだろうか?確かに、庭木の剪定作業中にハサミをどこかに置き忘れて大騒ぎするハプニングはよくある。携帯電話を使って、どこへ置いた…

認知症の方が苦手な物

義母が認知症を発症してから嫌いになったものある。それは、チカチカ点滅するもの。まずは車のイモビライザー(車の盗難防止装置)。思い返すと、私の亡くなった父もそうだった。(父の場合は、すぐに車を処分したので、長くそれに煩さされることはなかった…

起立性調節障害と睡眠障害

コロナ禍で、睡眠障害を起こす子供たちが増えているというニュースがテレビで放送されていた。ひどい睡眠障害で入院治療を受けているという中学生が出ていた。ニュースを見ながら、そうか、睡眠障害外来という手があったのかと驚いた。起立性調節障害に苦し…

認知症は奥深い

素晴らしい秋晴れを楽しみに、友人と植木市へ。友人とのたわいないおしゃべりも、空気の良い森の中の会場散歩も癒し。真っ先に、先日無くなったフィンガーライムの苗木を調達する。今回は、奮発してちゃんと主張のある大きな苗木。乗用車では少し運びにくい…

ミステリー

認知症を発症した義母、診断結果に家族は(多分本人も)少なからず動揺したが、今までに流れて来た長い時間が突然激変するはずは当然ない。いつものように義母は、朝昼晩台所に立ち、難聴の義父と大声で怒鳴りあったり喧嘩したりしながら、午後になると大好…

まだまだ大丈夫!

義父の病院受診の予定があったので、何時に出かけるか確認しようと義父母の家の勝手口から二人を訪ねると、素晴らしいタイミング!認知症を診断されてからずっと気になっていた義母のお料理のこと。お料理はやっている様子だけれど、どんなものを食べている…

まただ!

昨日のこと。義父母が真夏に使っていた冬物の寝具。それを見つけて義妹がクリーニング店に持って行っていた大量の冬物寝具。今週末には気温が急激に下がる予報なので、私が代わりに取りに行った。普通車の後ろの座席を倒して詰め込んでも収まらず、助手席に…

背中を押す工夫

慣れないことに取り組めるようにするにはどうしたらよいのだろう。ふと、病院の受診を忘れないでいてもらうためにカレンダーに前もって書き込んでおくと、”今日は病院の日だったね”とすんなりと予定を受け入れてもらえていることに気が付いた。少し前に提案…

認知症の方の意欲を後押ししたい

お薬を処方していただき飲むようになって、極端なイライラ、カリカリは落ち着いているように見受けられる。主治医には、”お薬も大事だけど、それよりずっと大事なのは毎日の散歩だよ”と言われたことは、義母も覚えている様子。けれどどうも、その散歩にこぎ…

子供が不調の時の不安や悲しみの処理

友人に、子供が不調の時の不安や悲しみ、どうやって処理してたのと聞かれて、少し困ってしまった。苦しかったことは勿論、とてもよく覚えている。そんなに遠い昔でもない。胸が張り裂けそうで、何も手につかなくて、私は仕事も辞めたのだった。しかし具体的…

友人の起立性調節障害の娘さんのこと

子供たちが小学生の頃、登校班にいたアメリカ人の女の子キャサリン。みゆきが小学1年生、キャサリンが4年生の時に出会った。彼女は一年前にイタリアから越してきて、まだ日本語が苦手な時期。みゆきは3歳から英語教室に通っていたので、ごく自然に英語と…

認知症初期の料理

認知症を発症した義母だが、料理は基本的に自分でやっている。4歳年上の義父の分と二人分。ただ、最近疲れやすいので、週に2回、午後から半日デイケアに行っている日の夕食だけは、私が届けている。 ”できることは、奪わない”のが援助のモットー。ただ、ど…

認知症検査を振り返る

MMSEは、時間の見当識、場所の見当識、即時想起、注意と計算能力、遅延再生(短期記憶)、言語的能力、図形的能力(空間認知)が問われる検査だというのは、検査結果をうかがうときに説明を受けた。 時間の見当識:-今日は何月何日ですか?とか、 -今年は何…

認知機能検査

前回の受診の時には、来年の3月に予定されていた認知機能検査(MMSE)、キャンセル待ちのリストに入れていただいていたら、驚くほど早くキャンセルが出た。本人は勿論、家族もビックリ。特に免許更新のための認知検査を受けなければならない動揺が収まらぬう…

認知症と車の運転

義母の物忘れが気になり始めてから、ずっと気掛かりだったのが車の運転のこと。本人も自分が健康な頃と同じではないことは自覚しているようで、運転する機会が極端に減った。遠出はそもそもしない。コロナの影響もあって、大好きだったミニテニスにも行かな…

認知症と疲れの関係

認知症と起立性調節障害だけに特有の共通点があるというよりも、様々な病気でそうなのかもしれないが、みゆきが、大きな試験や行事などで疲れると何日も寝込んだように、義母も疲れると調子が悪そうだ。 先日の認知症外来の日、車で30分位のドライブに加え…

認知症外来二度目の受診

認知症を診断していただいた病院の二度目の受診。1ヵ月前に出していただいたお薬の副作用が出ていないかを確認の上、次回の受診までの3ヶ月先分のお薬を処方していただく。義母は、まだ車の運転をしているので、なるだけ早い時期に詳細な認知症の検査をした…

人生初の山登り

みゆきから久々に連絡があった。ラインの画面に山の写真。それも、山の全景ではなく、山から見下ろしている風景だ。「1600メートルの山に登ったよ!初登山!カメラマンデビュー!!」とある。 下山後の説明電話によると、みゆきの師事するカメラマンさんが山好…

認知症と天候の関係

起立性調節障害で苦しんでいた頃のみゆきの症状は、天候に大いに影響を受けた。天候が崩れる直前から、天気の悪い日は、決まって具合が悪かった。台風の接近も大敵だった。また、気温にも大いに影響された。冬は相対的に調子が良く、気温が上がる初夏から初…

認知症-物忘れ以外の症状 1

ここ数日雨が続いている。雨の中、義母が花の水やりをしているのを見かねて、義父が「雨降ってる中、水やりをしたら、花が枯れるだろうが」とストップをかけた。先回りして、「水やりはお母様にとって大切な時間だから、見守ってあげてね」と一言声をかけて…

起立性調節障害の娘の癒し

今日は久しぶりの雨。雨を見ながら思い出したことがある。みゆきの高校時代のこと。根本的に彼女の学校へ行くモティベーションは、吹奏楽部の部活に参加することだった。欠席が多いので、授業は難解でしんどかったに違いない。そんな彼女にも、学校へ行って…

認知症面白話

みゆきが、高校時代、不調に悩み始めた当初。私はまだ仕事をしていた。良い病院の情報を得たくて、同僚に相談することもあった。当時はまだあんなに長丁場になるとは想像もしていなかった。そんな頃、職場の先輩が私を元気づけようと話してくれた話。 当時そ…