高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

起立性調節障害とは

 診断を受けた脳神経外科で、起立性調節障害がどんな病気なのかを説明する紙をいただいた。その紙にはおおむねこのようなことが書かれていた。

 ”正常人の場合は起立すると末梢血管が自然に収縮して、血液の正常な循環を維持する機能が働くが、この調節機能が自律神経の失調で障害される病気。学童期や思春期に発症することが多く、朝起きられない、立ちくらみ、眩暈、頭痛などの症状が出る。生活の乱れを調節し、軽い運動をすると症状は改善するが、怠けていると勘違いされやすく、そのことで教師や友人に誤解されることで精神的に追い込まれ、鬱を発症することもあるので注意が必要である。” 

 ”生活改善をして、運動をすれば治る”という記述に明るい未来を見出した私。ただ、誤解で精神症状を起こしては大変、とすぐさま担任の先生への手紙を書き学校へ持参した。

 これで大丈夫、のはずだった。

 

 

担任へのお手紙:

2012.9.28

 

K 先生

 

 お世話になっております。今回のみゆきの件では大変ご心配をおかけいたしました。

いろいろな病院をわたりあるいても原因がわからず、本人も大変イライラしておりましたが、やっと原因を突き止められたという点では、ほっとする反面、特効薬がないとのことなので落ち込んでもいます。 

 昨年、同じ病気の生徒さんをもっていらしたとのことなので、ご説明には及ばないと存じますが、精神的な理由で具合が悪いのだろうと誤解されて頑張りを強要されることで、本当の精神疾患を誘発し必要以上に長引くことが多い病気なので、くれぐれも学校の先生方との連携をとるようにと、K脳神経外科の主治医より言われてまいりました。

 授業を欠席することが多いことは、本人も私どもも、大変もどかしくはありますが、

長い人生、たった一年や二年遅れることは大したことではないという気構えで、病気の治療に専念したいと話し合いました。“ゆとり教育最終年生”であることも、本人はかなり気にしていますが、元気になりさえすれば遅れても取り返せると言い聞かせております。

本来でしたら直接お伺いしてお話すべきことですが、お忙しい先生のお時間をいただくことになりますので、まずはお手紙にて失礼いたしました。どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。