高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

注射恐怖症と起立性調節障害の関係

 コロナワクチンの接種が加速している中、ふと思い出したことがある。みゆきの極度の注射嫌いのこと。子供の頃は予防接種に行っても、あまり怖がることはなく、注射後にもらえる飴玉目当てにワクワクして、ベソをかくこともなかったと記憶している。

 それが、起立性調節障害を発症して、まだ病気の正体がわからなかった時の最初の血液検査で、貧血症状で倒れたことをきっかけに、以降極度の注射恐怖症になってしまって、治らないまま今に至る。そもそもひどい頭痛と吐き気、倦怠感で非常にしんどいところに、貧血症状による気分の悪さが加わったのだから、大きなトラウマになったことは容易に理解できる。

 高校時代には、拒食気味で、吹奏楽の練習もしていたこともあり脱水症状を起こすことはしょっちゅう。点滴しなければならないことも何度かあったが、点滴針を刺すのがそれはそれは大仕事。ベッドに寝かせ、看護師さんが2、3人がかりで押さえつけ、なだめすかしながら、心の準備をさせるのに長い長い時間がかかる。点滴をしてしまえば、脱水症状による気分の悪さは収まってくるとの実感があるのだろう、点滴はまだまし。対して、血液検査のための採血は、その後気分が悪くなるだけ。なので採血が一番の苦手。社会人になった今、健康診断のための採血はパスするわけにもいかない。大の大人が、注射を怖がってうろたえる姿は、なかなか理解を得られず大変だろうと思う。スタジオに就職する前の健康診断の時などは、3人がかりでがんじがらめにされて、採血をしたとか。でも直後、血圧が急降下。70/40にまで下がって、「これは死にゆく人の血圧です」と言われたと後に話していた。

 極度の注射恐怖症の人は、思った以上にたくさんいると聞いたことがある。その中にはきっと、起立性調節障害の患者さんや経験者がいるのだろうと思うと、今でも心のザワザワが止まらなくなる。