高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

医師選びに悩んだ日々

 歯科医探しの難しさを体験して、みゆきが起立性調節障害に苦しんでいた頃の医師選びの苦悩を思い出した。くしくも高温多湿のこの時期、ODの患者にとって、一年で最もしんどい季節。

 みゆきの場合、病名が分かるまでに辿った道のりは、今思い出しても長く苦しい。

まずは、かかりつけの小児科を受診し、症状が改善しないので副鼻腔炎を疑って耳鼻科へ。そして、首の湾曲が原因かもしれないと、整形外科を受診。それでも納得がいかず、脳神経外科へ。ここで、起立性調節障害の診断はしてもらえたものの、「運動をすれば治る」と、治療はしてもらえず、この結果をもって、再び振り出しの小児科へ。そこから大学病院の小児科を紹介していただいて、結局高校卒業まではそこでお世話になることになったものの、なかなか症状は改善せず悩ましい日々。途中、精神科の受診を勧められるものの、本人が固辞して受診せず、親戚の友人のドクターの勧めでカイロプラクターの施術を併用することになった。親身になって相談に乗ってくださる、大学病院の医師に出会ったことは大きな収穫ではあったが、症状が改善していかないことで、始終迷いや焦り、もどかしさから解放されることはなかった。ある意味、これがこの病気の特徴なのかもしれないと今なら思えるが、当時、もっと違った効果的な治療法がどこかにあるのではないかという思いに悩まされた。針や漢方などの東洋医学は、時間が許すなら(出席日数がぎりぎりだったので、当時は断念した)一度は試してみたかった。時間的余裕があったなら、専門医のいる病院で、入院治療ができていたら彼女にとっても心軽く、医師がいつも傍にいるという安心感の中で、治療に専念できたのではないかと今でも思ったりする。