高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

友人のお嬢さんの話

 

 私の古くからの友人のお嬢さんは、イギリス人とアメリカ人のご両親を持つ女の子。日本生まれの日本育ち。おうちではご両親と英語で話し、勿論外では日本語を話す。

その女の子の話。見た目は美しい金髪の天然ソバージュヘアーに奇麗なグリーンの瞳の彼女。明るくひょうきんな性格で小さい頃からとても可愛かった。しかし、美しい異国人の外見と母国語は日本語というギャップもあり、幼稚園時代から試練の連続。学校にも友人にも馴染めず、自分自身のアイデンティティ形成に苦戦して、小学校高学年になって、起立性調節障害を発症した。それでもなんとか不登校にはならず、いろいろと学校を変えながら、高校3年生までこぎつけ、2年前にアメリカの大学の日本校に入学を果たした。高校在学中にパニック障害と拒食症に悩んでいたと聞いて心を痛めてきたが、その彼女が双極性障害を発症したと聞いて、胸が張り裂けそうだ。

 躁の時の彼女は恐ろしくやる気満々で明るく陽気、多弁、ショッピング三昧。アルバイトも夜中まで寝ずにやりまくり、疲れ果てる。そしてひとたび鬱に見舞われると、知らぬ間に薬を大量に服用して、病院に担ぎ込まれるということを幾度となく繰り返しているらしい。母親は何度となく病院から呼び出されて、田舎から2時間かけて東京の彼女のところへ飛んでいく。「娘と一緒に住んで、彼女の体調管理をできたらどんなに良いだろう」とよく友人は口にする。私が彼女の立場でも同じように感じるだろう。でも、彼女は遠くから応援するスタンスを崩さない。立派だなと思う。しかし同時に、どんなに不安が大きいことだろうかと心配になる。

 彼女の娘さんを治療してくれる良いドクターはいないものか。現在東京でかかっている病院は東京の小さな病院らしい。でも、躁の状態の時に飲むようにと渡されている薬を服用すると、何もかもがぼやけて生きている心地がしないので、勉学にも身が入らないから、ほぼ飲むことは無いという。そのせいで過活動になり疲れ果てる。その事実を病院で相談しても、「そうだね。そういう薬だからね」と言われるらしい。この言葉、どこかで聞いたセリフだ。そう、みゆきが高校生の時。医師に勧められたグランダキシンのせいでものすごく気分が悪くなって大学病院に駆け込んだ時だ。その時、若い医師に「そういう薬だからね」と言われて猛烈に腹が立った記憶が鮮明に蘇る。その一言で、みゆきは一気に医師不信に陥った。

 患者に寄り添って薬を微調整しながら一緒に悩み進んでくれる誠実な医師は、どこに行ったら会えるのだろう。私のリウマチのドクターはリウマチの分野の日本のベストドクターと言われる方だ。もしかしてベストドクター年鑑でも探れば、そんな方に会えるのだろうか?