高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

老人を危険から守る2

 昨日の怪しい電話が気になって、今朝早くに確認に行った。「知らない人からの不審な電話はありませんでしたか?」の問いに、義母はきょとん。「何のこと?」電話機に貼った「不審な電話が来たら…」のメモがはがされている。「大事なメモを貼っておいたんだけどどうしましたか?」の問いにも「え?何のこと?」。昨日のやり取りはすっかり忘れているようだ。確かに不自然でじゃまっけな付箋に書いて、電話機に貼ったのは失敗だった。今度は、受話器を持った時の目線の先の壁に大きなポスターを貼ってみようか。

 大事なことは、それが習慣になるまで粘り強く何度も何度も、優しい口調で話さなければならないのだろう。義妹や夫は、何かあるときつく言い聞かせている様子。だが、これはでは、何が問題だったかという理由の部分は欠落してしまって、「ひどく怒られた」という記憶しか残らないことが多いように思う。私の父も認知症になってしまった晩年、イライラした母に口うるさく言われて「最近ママに怒られてばっかりなんだよ」と言っていたのを思い出す。自分の行動が相手を怒らせているとは受け取らず、相手が何故だかイライラしていた、と解釈していたようだった。

 不審電話も心配だが、それよりも怖いと思うのは、熱中症対策。義父のためには毎日さ湯を用意する義母だが、自分の分を忘れてしまう傾向がある。義父に用意している容器とは別の、義母用の水筒を用意して、必ず水分補給をするようお願いしているのだが、どうもこの習慣が定着しない。義父の水筒の真横に、義母の物も置いているのに、「この見慣れない容器はあなたの?」と毎回聞かれる。「お母様も、お父様と同じように毎日この水筒分を必ず飲んで熱中症対策をしてくださいね」と言うと、大抵、「私は毎日忘れず飲んでいる」と答えるが、飲んでいる様子はなく、「頭が痛くて死にそう」となる。水筒に名前のシールを貼って「毎日これを全部飲みましょう」のメッセージも貼り付けてみるかな?