高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

老人を危険から守る

 私がしばらく義父母の病院の同伴をできなくなったことをきっかけに、義妹がちょくちょく顔を出してくれるようになった。夫も週末の食料品の買い出しを続けてくれている。実子だとついつい母親にきつく当たってしまうようだが、これも時が解決してくれることだろう。子供達とのやり取りも、義母には良い刺激になっているはずだ。

 義妹の買物の助っ人はさすがだ!私が同伴するときは義母に買物をほぼ任せきり。前回買ったものを重ねて大量に買おうとするときは、「先週これはたくさん買いましたよ。残りはないですか?」と重ね買いがないかを口頭で確認するくらい。夫もそのくらいしか確認していないと思う。だが、義妹はさすが実娘。買物の前に冷蔵庫を確認して古いものは全部捨てて、冷蔵庫内をきれいに片付けてから、必要なものを確認して出かける。古いものを誤食しないように、こうして買物の前に確認するのは私たちも見習わなくては。

 今日も義妹が来てくれて、私と義父母についてお互いの情報交換をしているときにとても信じられない事実が発覚した。私の入院中、義母が歩いて1時間以上かかるスーパーに1人っきりで出かけていたというのだ。真夏の昼間に!!!驚くことは、その一度ではなかったということ。息子を喜ばせるために一輪車を持って24本入りの箱入り缶ビールを買いに出たこともあったとか。この買物は歩いて20分ほどのディスカウントスーパーだったらしいが、途中、急な坂道もある、実に危険なルートだ!!!しかも重い荷物を載せた一輪車を押して買物に出るなど、予想だにできなかった。万が一、バランスを崩して側溝に落ちたり、迷子になっていたらと思うと心底肝が冷えた。

 義父母の家は、狭い庭を挟んでわが家の隣。我家の方が、北側に位置しているのでこちらから見えるのはお隣の勝手口と小さな窓だけ。義母が庭の手入れをしたり、水やりをしている時などは、こちらからも様子がうかがえるので、外の仕事が長くなりすぎないように注意を払っているつもりだが、家の中は全く見えないし、玄関も見えないので当然外出してもわからない。ひところは、散歩をしないことを心配したが、今は自分の能力を過信してしまい危険に鈍感になっていることが問題になってきている。監視しているようで気分は悪いだろうが、出かける時にはひと声かけてもらって、携帯電話を必ず持ってもらうよう、徹底して伝えておこうと思う。

 もう一つ、かかってくる電話にも注意が必要なことを痛感した。義妹と共に話している間にかかってきた電話。義妹が出ると「お母様に今日の4時に来るように言われた」と言う保険会社からの一報。契約している会社ではないので、新規の営業の電話に違いない。聞いたこともない保険会社の名前なので、強引にお断りしたが、もし私たちが一緒にいなければ、約束通り4時に来て、わけがわからぬまま、あやしい契約をしていたかもしれないと思うとぞっとした。すぐに、電話を留守番電話モードにして、知らない人からの電話には出ないよう伝えたが、これは失敗。私たちが退散して10分もしないうちに、何だか電話に赤いランプがついていて怖いとのこと。そうだった!認知症の人は見慣れない点滅に弱い。すぐに留守電を解除して、「知らない人からの電話には、私は留守番だからわかりませんと言うように」と書いたメモを貼った。しかし、これも最善の策ではなさそうな予感。