高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

難聴の弊害

 つい最近まで、認知機能の衰えを感じさせなかった義父も、昨年末の変形性膝関節症の膝関節置換手術の長い入院以来調子が良くない。これは入院中から気になっていたことだ。膝関節の置換手術は、一昨年に続き二度目。最初の入院では、あの長い入院生活中も認知機能を維持していたが、今回は違った。義父は極度の難聴。特に右耳はほとんど聞こえない。左にわずかに残る聴力を生かすために2年前から、家族の説得に屈して左耳に補聴器をあつらえた。前回の入院の時には、入院中も補聴器を着けて入院生活も快適そうだった。しかし、今回は意固地に補聴器を使わず、入院生活は本当に大変だったと想像できる。看護師さん方も苦労されたのではないかと思う。なぜ補聴器をしないのか問うと、「補聴器をしない練習をしろと言われた」とのこと。そんなはずはない。「補聴器は不便でも始終つけておいた方が良い」と器械を処方していただいたときに、繰り返し厳しく言われている。「補聴器をすると、不快な音が入って嫌ですか?」と問うと「そんなことはない。補聴器をしない練習をしろと言われているからしない」の一点張り。定期点検で調整もしていただいているから、雑音は抑えられているはず。

 確かに、補聴器を始終つけているのは不快だと思う。煩わしいだろうし、もし嫌な雑音が入るならなおさらだろう。認知症の特性で、思い込みがあるのかもしれない。補聴器を外してしまうと、ほとんど何も聞こえないはずなので、ものすごく不便だろうし、ますます人と遠ざかることになるに違いない。義母を担当してくださっている地域包括センターの方に”人と交わることが大事だから”と、健康維持のための体操教室などを紹介していただくが、「行かない」と固辞。

 難聴の義父との会話がストレスだという義母。今日も一日大声で怒鳴りあい。何とか義父に補聴器を着けてもらいたいが、元からの頑固さがますますエスカレートしている。何か打つ手はないものか。