高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

初めての迷子事件

 義父の大学病院受診の日のこと。足の不自由な義父と付き添いの義母を、病院の玄関に降ろし、いつものように院内の駐車場に停めてから二人に合流するつもりだった。駐車場が混んでいて、停めるまでに時間がかかってしまったが、義父の受診する診療科はわかっていたので、そこへ行けば二人に会えるはずだった。予定では整形外科受診の前にレントゲンを撮る予定だったので、レントゲン室に行ってみる。患者さんがものすごく多く、まだ早朝だというのに長蛇の列。長い列をくまなく見て回るが、二人の姿はない。患者さんが多いので、もしかして診察が先になったのかもしれないと思い、整形外科の受付に行ってみるが、いない。もしかして、この日、もう一つ受診するはずだった皮膚科かもしれないと、そちらに行ってみるが、そこにもいない。

 入院中には認知機能が少し落ちてしまっていた義父と、認知症の診断が下っている義母。もしや迷子になってしまったか⁈あわてて、総合受付で、既に義父がちゃんと受付手続きをしたかどうか検索してもらう。受付けはちゃんとしたようだ。受付では今どこにいるかまではわからないということなので、もう一度同じところを回ってみる。でもいない。だんだん不安になってきた。もしやどちらかが倒れてどこか違う診療科に運ばれたか⁈総合受付に戻り、倒れて運ばれてないか確かめてもらうが、倒れて運ばれた人の記録はないという。最近、携帯電話のパカパカの点滅が嫌だと言って持ち歩きを嫌がっていた義母だが、もしかすると持っているかもしれないと、電話をしてみる。当然でない。もしかして、迷子になって夫か娘に電話をするかもしれないと思いついて、夫と義妹にも連絡してみるが、連絡は今のところはないという。この先もし連絡があったら、知らせてと言いおいて、また病院内を探しまわること一時間半。今日受診する診療科以外も探してみようと思い立ち、一階からしらみつぶしに待合室を探してみるが、見つからない。どうしたらいいだろうかと途方に暮れかけていたら、電話の音。

 義母からだ!義母曰く「お父さんが、入ったっきり出てこない!」。「どこに入ったの?トイレ?」「トイレじゃなくて何かの検査。ここにあなたも来て」と義母。

「ここってどこ?何の検査?」の質問に義母は「エレベーターの前!6階、7階って書いてある」と言う。「誰か近くに病院のスタッフの方がいたら電話を替わってください」と言うと「誰もおらん」困った!!

 そこで結局、まずは5階から外来のエレベーターの前を下の階に向けて探してみることに。そしてようやく義母を見つけたのは、2階のリハビリテーション室の前!!それも外来ではなく病棟のエレベーター前。大汗をかいてやっと義母のもとにたどり着いた私への一言は、「あなたどこに行ってたの?えらく遅かったね」だった。え~‼⁉

 結果的には迷子になったわけではなく、急に入った歩行検査のためにリハビリテーション室に行っていたようだ。

どうやら、迷子になっていたのは、義父母ではなく、私だった⁈

 帰宅後、今日のことを義妹にも夫にも、心配をかけたお詫びと共に報告したが、2人の反応は思った以上に薄く…

 

 これからは、私は一人で迷子対策を考えなくてはいけない⁉のか。