高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

鬱病発症から10ヶ月

 母が鬱を発症して10ヶ月。発症当時からすると格段に顔向きが良い。投薬は続いているとはいえ、素人目には寛解と言ってよい感じすらする。現在、退院から約2ヶ月。退院当初は、テレビを観ることすらできなかったし、たかが10人程度の集会室で大好きな歌を歌うのですら嫌がった。それがここへ来てニュース番組は毎日見て、最新の出来事をフォローしている様だし、歌の会にも参加できるようになったと施設の方から教えていただいた。施設の入居者の方の中に、お知り合いもできて話をすることもあるようだし、「何もすることがなくて、一日をどう過ごしていいかわからない」ともぼやかなくなった。聞くと、せっせと編物をしたり、血液循環を良くするために手に入れた””あしぶみ健康ライフ”という器具でせっせと運動している様子。本もボチボチ読み始めた。

 -テレビが観られない

 -本が読めない

 -人と関りを持つのが億劫

 -何をして良いのかわからない

それが、一気に解消した気がする。それと

 -人に感謝できない

 -他人に配慮できない

そんな感じも随分なくなった。発症前には、何かを私に頼むとき、必ず「申し訳ないね。お願いね。」と言っていた母が、病気を発症してからは当然のことのように用事を言いつけ、それを果たした後「ありがとう」の一言もないことが非常に気になっていた。

 それもなくなった。施設の職員の方にも何かをしていただいたら「ありがとう」と感謝は伝えているようなので、本来の姿に戻りつつあることが本当に嬉しい。

 ただ、1年前には当然のようにしていた買物や、料理、掃除洗濯、庭の雑草管理などをまったくやらなくなっているので、そのことは少し気掛かりではある。今まで、それらの家事をやっていたからこそ保たれていた認知機能が、衰えてしまうのではないかと心配だ。だからといって今更一人暮らしはさせられないとは思うが、何か手立てを考えなければ認知機能の急激な衰えは避けられないに違いない。

 まずは、母が回復に向かっていることに感謝しよう。そして母がどうやったら日々をエンジョイしながら、認知機能を維持できるか、工夫を凝らしてみたい。