高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

父が壊れた

 それは、みゆきが受験旅行に行くことを決め、センター試験を受けた頃のことだ。私の母から電話があった。父の様子がおかしいという。どんなふうにおかしいのかと聞いても、母の答えは要領を得ない。すぐに両親のもとにかけつけた。

 父に会って、具合を聞くと”元気だよ。どうして?みゆきは元気?みゆきは受験の年だったね、どこを受けるの?”と開口一番みゆきの話。私が、東京の芸術系の大学を受けることにしたと告げると、”すごいね。良かったね”と言う。そしてその直後のこと。

”みゆきは受験だったよね。で、どこを受けるの?”と再び。唖然。

 その後も私がいる間中、繰り返し繰り返し繰り返し、全く同じ質問。

  "みゆきは、どこを受験するの?”

 

 父が・・・私の父が・・・壊れてしまった。

 

 いや、私が父を壊してしまったのだ。