高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

退職届を提出する

 休職してから4か月。みゆきは意を決して職場に退職届を出した。ここから就活を始める。休職している間に、就職先を探した方がいいのではないかとも思うが、きっちり区切りをつけてからでないと、前に進めない。前の職場に申し訳ないと、みゆきは考えたようだ。

 アルバイトをしながら、気長に職探しをする予定でいるようだが、アルバイトにどんな仕事をするかは問題だ。生活できなければだめだし、できるならキャリアアップに繋がる方がいい。彼女の目指すカメラマンという仕事、何を撮りたいかで大きく仕事内容が変わる。彼女の目指しているのは、広告カメラマンというよりは、”人”や”花”を撮る仕事。そのために、花屋でアルバイトをしながら花の勉強をしたり、”花”を撮影しつつ、ステップアップしたいと考えて、花屋のアルバイトを探しているようだ。しかし、花屋の仕事は、見かけ以上に重労働に違いない。アレルギー体質の彼女には、過酷なはずだ。

 でも、私からは何も言わない。高校時代の闘病中に決めた私のルール。”先回りの手出し、口出しはしない”。休職が長くなるほどに、心配はつのる。ときには居てもたってもいられなくなる。でも、我慢。気長に待つのが、親の仕事だと、自分自身に言い聞かせる。

 退職届を出したのは、一歩前進だ。夜明けの来ない夜はないのだ。