高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

再就職

 前の職場だったスタジオをやめて、ひと月足らず。花屋の面接を受ける一方、カメラマンの直アシの仕事を見つけたみゆき。直アシというのは文字通りカメラマンの直のアシスタント。スタジオマンとの大きな違いは、スタジオマンはスタジオで多くのカメラマンのアシスタントをするのに対して、直アシは一人のカメラマンだけのアシストをするという事らしい。仕事の内容は、カメラマンの秘書兼かばん持ち。結局、花屋ではなく直アシの仕事をすることにしたようだ。

 またまた、体力勝負で、かなりキツイ仕事のようだ。給料も安く、拘束時間も長そう。勤まるのだろうかと心配ではある。

 ただ、感心したことがある。それは、病気のことを隠さずカメラマンさんに話したこと。そして”仕事は一生懸命頑張りますが、ご飯はたくさん頑張れません!”と最初に宣言したこと。彼女の引け目は、適応障害で休職していたこと。それと食事を強要されることが怖いということ。クライアントにごちそうしていただくことの多い業界で、ご飯を残すのは非常に失礼で、申し訳ないことだ。しかしそれを強要されるのは大きなストレスになることを見越して、初めに手を打ったと聞いて、かなり安心した。

 ありがたいことに、師匠は”私は小食です!”のバッジでもつけとけ!と、小食を認めて下さったとのことで、ほっとした。

 

 重い荷物を持つ仕事は、トランペットを長時間持っているより、体を歪めそうで気になる。ただ、自分の弱点に気づきながら、自分で先回りして、周りに協力をお願いできるようになっていっていることは頼もしい。こうして少しずつ自分の”トリセツ”を自覚しながら、前へ進めたら嬉しい。

 立ち止まってもいい。後戻りすることがあってもいい。また必ず前へ進めるものだから。