高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

グランダキシン

 大學病院を受診して点滴をしていただいた10日前のこと。気温が高くなり、具合が悪くなってきているので、自律神経を整える効果があるというグランダキシン*(グランダキシン50㎎錠1日3回服用を3か月分)が処方された。この日も大学病院の定期受診の日。この日は午前中に起きて病院へ。せっかく病院へ行くために、起き上がったのだからと午後から学校へ行き、部活をして帰宅。夕食が久しぶりに少量食べられたので、いただいた薬を飲む。その5~6時間後、激しい嘔吐が始まった。ふらふらして、気分がものすごく悪いと言う。腹痛も下痢の症状もないので胃腸炎ではなさそう。食事をして水分も摂っていたので脱水症状でもないだろうと思われた。熱はなく、頭痛もない。もしかすると薬の副作用?夜が明けて早々に大学病院に連絡し、診ていただくことに。

 その日は運悪く土曜日。主治医がいないので、当直の若い男性医師に診ていただくことになった。グランダキシンを飲んで数時間後にこの症状が出た話をすると、あっさりと「グランダキシンのせいだろう」との答え。私たちからの「どうして?」の問いに「そういう薬だから」との返事。そういう薬ってどういうこと?気分が悪く、頭痛、眩暈、倦怠感があるからといただいた薬なのに、それで気分が悪くなる?意味が分からない。「副作用がでているということは、このお薬は今後飲まない方が良いということですよね?」の私たちからの問いに、若い医師は「自律神経を整えたいなら我慢して飲み続けなければならない」という。

 娘の表情が一気に硬くなった。大学への信頼が一気に崩れ落ちる音が聞こえた気がした。勿論、それ以降グランダキシンを服用することは一度もなかった。

 

*グランダキシン:間脳に働きかけて、自律神経の働きを調整する薬。主な副作用は、頭痛、浮上感、吐き気、嘔吐、下痢、便秘、胃部不快感、食欲不振、腹痛、胸やけ、無味感、あくび、口内炎、発疹、かゆみ、皮膚異常感、紅潮、血圧上昇、倦怠感、口やのどの渇き、体のほてり、夜間頻尿、貧血などの症状が現れることがある。- ”お薬屋さんのガイドブック”岡島重孝・野口實 監修 永岡書店-