義父の病院受診の予定があったので、何時に出かけるか確認しようと義父母の家の勝手口から二人を訪ねると、素晴らしいタイミング!認知症を診断されてからずっと気になっていた義母のお料理のこと。お料理はやっている様子だけれど、どんなものを食べているのかがとても気になっていた。気にはなるが、わざわざ確かめに行くのは失礼な気がするし、怖くもあった。しかし、今日は絶好のタイミングに出くわした。扉を開けるなり、お味噌汁のいい香り。思わず、”本当においしそうなので、一口下さい!”と言ってしまった。
あたたかく、香り高く、美味。お野菜は何だろう、菜っ葉が入っていた。心に染みるおいしさ。ほっとした。”とってもおいしい”と言ったら、”おだしはイリコよ!夜のうちからイリコを水につけて用意するのよ”と義母。この感動は何だろう。心から嬉しい。
年を重ねて認知症になるのは、何の不思議もなく、誰がなってもおかしくない。ごく普通のことだと受け止めたかった。そして、できるだけ大騒ぎせず、淡々と不自由なことに逐次対処しようと努めていきたいと思ってきた。しかし、知らず知らずのうちに、義母の認知症発症は、私の中で重大事件になってしまっていたようだ。
肩の力を抜こう。日々のごく普通の小さな幸せを数えよう。