高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

根回し

 一旦、隣県の病院を退院したら、自県での病院受診の約束はあれども、そこで入院できるという保証はない。入院できなかったらどうするか?母の自宅は、病院から車でか1時間半ほどかかるので、通院は難しい。そもそも、現時点で母が自宅で一人暮らしをできるとは思えないので、当然私が母と暮らすしかない。それはいいとしても、私の仕事の日はどうするか?介護認定のない状態で、ショートステイデイケアは利用できない。病院に近い我家で母との同居をするとしても、やはり仕事の日の母をどうするかが問題になる。それに、母が夫と同居するのは好ましくない。やっと調子を回復しつつある夫がまた不調に陥る。家族全員が仕事をしている弟家族との同居は論外。介護認定がなくても入れるグループホームを近隣に探すが、空きがない。またもつい1月ほど前に陥った、途方に暮れる状態に逆戻りだ。

 だめもとで母が住んでいる地域の、包括支援センターに連絡して、相談すると意外な答え。「今入院している病院に、次に診てもらう病院への転院の手続きをしていただいたら?」とのこと。え?今の病院には散々退院後の相談をしていたはずだったのに、そんな提案は無かったぞ!!転院手続きをしさえすれば、入院が確約されるの?狐につままれた気分。今入院している病院には「新しい病院で、入院とならなかったらどうしよう?どうしたらいいでしょう?」とちゃんと声に出して現在の不安を伝えていたというのに、転院という裏技提案がなかったのは何故だろう?もしかしたら、家を激しく恋しがる母の症状を鑑みて、家からの通院が最良だという判断だから?でも今の母を看ていて、家族との同居や、一人暮らしは無理だという判断にはならなかったのかな?

 ともかく、どう考えても私に仕事があり、私自身の体調も思わしくない今の段階で母との同居は無理だ。転院手続きをお願いするしかない。一大決心をして、今入院中の病院のコーディネーターさんに再び家族の状況を丁寧に説明して、転院手続きをお願いしたら、拍子抜けするほどあっさりと了承してくださり、あっという間に転院先の病院との調整をして下さった。どうして、すんなりいかなかったのか今となっては、わからない。私の説明では困った感が十分に伝わっていなかったということなのかな?

 ともかく、自県に戻ってしばらくは入院措置を講じて下さることになった。その間に介護認定を急ぎ受け、退院後の母の最善の居場所探しを始めなくては。ただ、病院間ではコンセンサスがとれたが、母抜きの話し合いだったことは気掛かりだ。きっと何故、自分抜きで重大決定をしたのかと母の不満が爆発することは容易に想像できる。