高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

母の面会でできること

 病気の母に頻繁に会うのは辛い。行くたびに悲しい。でも東京八王子の滝山病院で起きたような患者虐待が起きていないかどうか、ちゃんと真っ当な治療がなされているかどうか見守るのは、患者家族がしなくてはいけないことなのだと思う。病院を信頼しないわけではない。ただ、精神疾患の患者さんを看護するのは大変だと身をもって知っている。給料をもらっているからといって看護のしんどさが減るわけでもないはずなので、病院へ行って直接、看護してくださっている方々に感謝の気持ちをコンスタントに伝えておきたいとも思う。

 一週間ぶりの母は、また感じが違った。会話が交わせないほど落ち込んでもいないし、ひっきりなしにおしゃべりが止まらないような先週のようなハイテンションでもない。少し落ち着いて、「こんなところに長く滞在すると、正気を失ってしまいそうでとにかく怖い。長く入院するとお金のことも心配だし、家を長期間留守にするのも心配だし。」と、長く入院していたら誰でも気になるような心配事を口にしていて、「お金のことも、留守宅のこともちゃんと私たちが管理するから心配しないで大丈夫よ」という私の話もしっかり届いているよう。少し暗い感じはあるものの、安心する自分がいる。看護師さんに聞くと、着々と検査はできているようだし、薬も変えていないようなので、母が薬にも病院での暮らしにも慣れてきているのかもしれない。

 母がポツリとつぶやいたように、もう元の一人暮らしに戻ることはこの先できないのかもしれない。でも小規模なグループホームのようなところで、家庭的な暮らしが、近い将来実現出来たら嬉しい。来週には介護調査の日程も組まれているというから、その日は、多少なりとも近づいているのかな。どうか、どうかこのまま、治療がうまくいきますように。