高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

義母との久しぶりの病院外出

 母を入院先から外部の病院へ検査のために連れて行った次の日は、たまたま義母の物忘れ外来の再受診日。母のために時間を使ったばかりのタイミングなので、義母に時間を使っても後ろめたさはない。かえって、最近義父母のことを義妹に任せっぱなしになっていたので、日頃の感謝を尽くす良い機会。本来ならば義父にも病院へのドライブに付き合っていただいて、同病院で認知症の患者さんのトリセツのレクチャーを受けていただけないかと期待したが、残念。固辞されてしまった。確かに、トリセツを学ぶことも大事だけれど、義母と離れる時間も大切なのは理解できる。なので、無理強いはしないことに。代わりに、義父にはお弁当を用意して、出来る限り長い時間、ストレス解消をしていただくことにする。義父母は滅多に外食をしないので、義母みたいに料理は上手ではないが、目先の変わったものも良いかもしれない。その間、たまには義母も外で美味しいものを食べていただき、こちらもボーナスタイム。

 義母をこの病院へ連れて行く日のお決まりは「いつまで、こんな遠い脳病院に通わなければならないの?」の連呼。確かに、物忘れの自覚のある方に脳外科の受診はしんどいことだろう。屈辱感もあるかもしれない。何十回も同じ質問をされることには慣れている私だが、どう答えるのが本人の気持ちに寄り添えるのか、そのたびに逡巡する。迷いながらも私の頭の体操の時間と捉えて、ゲームのように、できるだけ同じ回答をせず、義母の聞きたそうな回答を探しながら答えてみようと思っている。

-「遠くまで行くのはしんどいですね。でも、お父様と離れる時間は大切だから、ストレス解消のため、ドライブを楽しみましょう」

-「認知症になっては大変なので、お薬は欠かさない方が良いと聞きますから、お薬を取りに行きましょうね」

-「遠いのが大変ですが、とっても良い病院らしいので頑張って通いましょうね」

-「あの病院は植栽がきれいでしたよね。今どんな花が咲いているのか楽しみですね」

-「とっても優しいお医者様でしたよね。有名な方だそうですよ」

-「せっかくだから、今日は美味しいものを食べて帰りましょうね。何が食べたいですか?」

私だったら、どんな答えが嬉しいかしらと想像しながら。