高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

認知症患者の連れ合いのストレス

 義母の調子は相変わらず悪くない。長くガーン線も見ておらず、毎日ではないが、庭の植物の水やりも続けている。散歩に誘うと、週に1度くらいは乗ってくれるようになった。美味しい口実をつけても、医師に毎日歩くように言われているからと誘っても、散歩に乗ってくれなかった以前からすると、大きな進歩。散歩の前に食料のストックの具合を確かめてから、「何と何を買いたそう」とメモをして出かけるように提案。だが本人は「字を書くのは嫌い」と固辞。仕方がないので私がメモをして、それを義母に持ってもらって出かけるようにした。こうすると荷物が増えすぎなくて良い。

 ただ、この頃気になることがある。冷蔵庫のストックがなかなか減らないような気がするのだ。大きな週1の買物は相変わらず私の夫に付き添ってもらうので、その時に何を買ったか私にはわからないのだが、以前より買う量が多くなったという話は聞かないので、食べる量が少なくなっているのかもしれない。

 先週、義父の耳鼻科の定期検診に、義妹が同伴してくれた際に、「お母さんとの日常は、しんどくて、自分の方が精神的に参ってしまいそうだ」と義父が珍しく愚痴っていたと聞いて、はっとした。義父は、膝の置換手術をして、足が不自由ではあるものの、杖を使って毎日2度の散歩を欠かすことが無い。なので、家の中がしんどくなったら、外へ出て気分転換を上手にしているものと、勝手に思い込んでいた。自分からは、外へ出て行かない義母の方こそ、物忘れのハンディを持ちながら家事を一手に引き受けている上、義父の耳が悪いので、なかなか意思疎通もできず、疲れたりストレスが溜まったりしているだろうと、思っていた。

 義父は極度の難聴。大学病院で補聴器を処方していただき、定期的に微調整をしていただいている。一般的な補聴器よりも雑音が入りにくく、使いやすいと言われている補聴器を、義父は最近全く付けなくなった。聞こえないと不自由だろうに、何で着けないのか理解できないでいたが、もしかすると義母の繰り返し繰り返しが、聞きたくなかったのかもしれないと思い当たる。義母がよく「お父さんはパンが好きだから」と散歩の際にパンをたくさん買うのだが、もしかすると、義母がご飯を炊き忘れたりして、食べるものが不足しがちだから、義父はパンを欲しがるのかもしれない。

 できるだけ、義父母の生活に干渉したくはない。しかし、時々食事の準備をしているような時間に、何か口実を作って、しっかり栄養が取れているかをチェックする必要がありそうだ。義父のストレス軽減のために、もう少し頻繁に義母を散歩に連れ出すことにしよう。たまには、義父には私がお弁当を作って、義母を外食に誘うのも良いかもしれない。