高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

実母のケア

 私の実家の母は、義父母より若干年上。7年前に連れ合いを亡くし、我家から車で1時間半の田舎に一人暮らし。連れ合いが亡くなるまでは、生涯外で仕事をしたことも、銀行でお金をおろしたことすらないような、箱入り娘ならぬ、箱入りおばあさん。80になって初めて、銀行で預貯金を引き出したり、役所で諸手続きをしたり、古くなった自宅の修理の手配をしたり、あらゆる手続きをすることにデビュー。でもなんとか、一人で暮らしを守っているからすごい。夫を亡くすまでは、これといって大きな病気をしたことはなく、80を越えた頃から季節の変わり目に軽い喘息の発作が起きるようになって、病院通いをするようにった。でもその病院にも一人、タクシーで通う。買物はコープの週1の宅配と、病院に出かけた折に、宅配で賄えない買物をしているようだ。実に自立した生活。

 至極元気で自立した母だが、半年に一度だけ大きな病院の婦人科の受診をする。筋力が落ちたために発症した子宮脱の処置。車で1時間ほどの病院に、電車とタクシーを使って自分で行くと言い張るが、私がそれはさせたくない。多分、実際難なく一人で行けるとは思うが、義父母に賭けている時間の多さに比べて、母のための時間を使っていないことへの罪悪感が私にはあり、半年に1度くらいは母にたっぷり時間をかけたいのだ。

 昨日は母の半年に一度の婦人科通いの日だった。せっかくなので、この日は早朝に迎えに行って、先ずは田舎の一人暮らしではなかなか行けない美容院へ。日頃はセルフカットをしている母だが、この日はプロに切ってもらう。自分で切ると、いつもワンレングスのおかっぱ頭になってしまうので、半年美容院へ行けなくても大丈夫なくらい短い後ろ刈り上げのボブカットにしていただいた。「後ろがスッキリして気持ちいい」と本人ご満悦の様子。その後我家に立ち寄ってもらい私の作ったランチを食べる。日頃はありふれた和風のお万歳を食べている母なので、ちょっと洋風にと思ってタコスにしたら大喜び。「タコスなんて何十年ぶりだわ。タコシェルのカリカリがおいしいねぇ」と大はしゃぎ。食後、受診時間までに少し時間があったので、2人してYouTubeを見ながら、軽いお散歩エクササイズもして、母の体力チェック。15分の足踏み体操くらいは平気なようで、安心した。その後病院で診察していただき、気持ちの良い道を選んでドライブして帰宅。本当は我家に泊まってゆっくりしてもらいたかったが、隣が義父母の家なので多少遠慮もあるのか、お泊りはいつもの通り固辞。でもたっぷり二人の時間を過ごせた。

 母と娘の時間は、娘にとっても楽しい時間になることを、再認識。もしかすると、自営業で忙しい義妹だが、こんな風に楽しい時間を取れるよう、私が工夫してあげるべきなのかもしれない。私が義母に付き添える時でも、用があってこの日行けないから、と方便を使って時間を取ってもらうようにしたらいいのかもしれない。