高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

退院の壁

 母が鬱を発症し入院治療を始めて早くも半年が経とうとしている。入院当時からすると、格段に症状は安定している。一時期異様にハイテンションで、こちらが恐怖を覚えるくらいだったが、それも落ち着いてきた。医師が薬の適量を見つけて下さったのか、あるいは体が薬に慣れて来たのか。

 入院が長くなったせいで、将来が見通せずまた不安になり始めている様子の母。医師に相談すると、そろそろ退院しても大丈夫だろうとのこと。しかし、田舎の一人暮らしはもう無理だ。何より、入院生活で筋肉が弱り、あれほどかくしゃくとしていた母が、今では杖を使ってやっと歩いている。いつ転んでもおかしくない。半年以上自炊もしていないので、そもそも料理ができるかどうかも怪しい。退院は、医師とも相談して、入居施設を探してからということに。

 ところが、入居施設を探すのが思いのほか厄介。私たちの住んでいる地域には、なかなか要支援1で入れる施設がないのだ。住居型のケアマンションなども当たってはいるが、どこも満室。ウエイティングリストに何人もの人が名を連ねている状態。自県で精神科の入院施設を探すのに困難を極めた時と、また同じ状況。認知機能のあまり落ちていない母には、友人や話し相手が必要なので、規模の大きい施設の方が理想的だと思うのだが、そんなところが少ない。仕方なく小規模なグループホームも当たってみるが、そんなところは、介護度の高い寝たきりに近い方々で満杯という感じ。

 施設を探すことで、私自身のストレスを高めないよう、施設で必要になる衣類などの準備をしながら気長に…と思ってはいるが、退院を待ち焦がれる母の焦燥感を見てしまうとそうもいかない。母が発病した頃の、私の自律神経の乱れ”頭が痺れる感じ”がまた戻ってきた。

 こういう時は、一人で焦らず、声を上げよう。助けて!!!!!と。