高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

鬱老人にカミングアウト

 母が鬱で入院している最中(病状が極めて悪かった時期)に、母のすぐ上の兄が亡くなった。4人兄妹の一人が他界するのは、母にとってとても重大なことなので、隠したくはなかったが、ドクターストップがかかり内緒にしてきた。

 しかし、老人ホームに入所後施設の生活にも馴染み、ここのところ母の体調がすこぶる良い。当初はテレビをつけることも、施設の広間で皆で歌を歌うことすらできなかった母だが、今はテレビでニュースは必ずチェックしているようだし、広間での歌の時間も楽しめるようになってきている。同時に新年ということで、親戚に自分の携帯電話を使って近況報告を始めたようだ。

 亡くなった伯父にも近く電話をするはずだ。ここは腹を据えて告白をしなくてはならない。私の弟や、ドクターに相談したいとも思ったが、ここは一刻を争うと判断。告白することにした。慎重に、伝えるのが遅くなってしまった理由を説明し、伯父の亡くなり方も、親戚の方々に良くしていただいて安らかに逝かれたことを伝えた。すると母の反応は思いのほか淡白だった。「それは、天寿を全うしたということね。誰だってそれは避けられないからね。闘病中に会いに行って看病もできたから、良しとしましょう」とのこと。合理的で、さばさばとした母が戻ってきた感じ。ほっとした。