高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

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 小児科を再受診して1週間。症状は改善しない。それどころかひどくなっているようにも見える。みゆきは、小さいころから鼻炎持ち。もしかすると、ひどい副鼻腔炎なのかもしれないと思い当たり、耳鼻科へ。確かに鼻炎症状はあるけれど、レントゲン診断では、膿はたまっていないとのこと。

 もうひとつ思い当たるのは、中学時代から続けているトランペット。重い楽器を持ち上げて長時間演奏するので、よく肩こりや首痛を訴える。首に異常があるかもしれないと、整形外科にも行ってみた。確かに首はステレートネックになっていて、それも頭痛の要因にはなりえると言われた。けれど彼女のひどい倦怠感は説明がつかない。

 わらにもすがる思いで、今度は以前行ったことのある脳神経外科へ。ここで、いともあっさりと「起立性調節障害だね」と診断される。「思春期によくおこる病気で、積極的に体を動かすと治るよ」と言われる。得体のしれない深刻な病気なのかもしれないと、日々不安に駆られていたので、病気が特定されたことで心底ほっとする。薬も処方されないぐらい簡単な病気なのだと意気揚々と帰路に就いた。

 しかし、病気の診断は、残念ながら苦悩の終わりではなかった。