高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

欠席連絡

  今日も起きられない。欠席するときは、学校へ必ず朝のうちに電話連絡を入れることになっている。電話に出るのは、高校の事務職員。必ず欠席の理由を聞かれる。毎日同じ人が電話に出てくれるわけではないので、毎日一から説明をする。担任の先生へは既に病気のことを知らせてあるが、行ける日もあるに違いないと信じているので、長期欠席届は出していない。そのせいで、毎日、毎日電話連絡をしなくてはならない。初めのうちは「お大事に」と言ってくれていたのに、最近では連絡をしても気遣いの言葉はなく事務的な了解の言葉だけになっている。

 初めは、明日は無理でも、近いうちに学校へ行けるだろうと、欠席連絡も特に苦痛ではなかった。けれど欠席が続くうちに、毎日の電話がしんどくなった。事務的な会話。事務職員の学校へ行くことが当たり前だという空気感。それに加えて、娘がよくならないことへの焦り、もどかしさ。朝が来るたびに、苦痛で苦痛でたまらなくなった。代わりに夫に電話をかけてもらったりもした。しかし、娘の様子を見て欠席の判断するのはいつも私なので、夫が代わりに電話をかけてくれても、私の苦痛は減らないことに気付く。

 長期欠席届を出すことも、考えなくはなかった。でもどれくらい休めば復調するのか、予想もつかない。あるいは何年もかかるかもしれないし、あと数日したらうそのように元気になるかもしれない。あと2年すれば高校を卒業できるこの時期、休学や退学がどのように娘に影響するのか想像もできない。起きる理由をなくしてしまうことは、彼女にとって元気になる願望、もしくは生きる希望すらも絶ってしまうことになるのではないのかという恐れを直感的に感じてもいた。