高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

おてだま

 実家の母が、地域の老人クラブ的なところで「お手玉が脳の活性化に役立つ」と聞いたらしく、お手玉遊びを始めた。たくさん作ったからと、私も3個分けてもらった。もしかすると義母も興味を示すかもしれないと思い、「お手玉やりますか?」と持っていったら、大はまり!片時も休まず、お手玉している。最初はおぼつかない遊びっぷりだったのが、すごい!しばらくすると体が昔の感覚を思い出してくるようで、お手玉三つをジャグリングできてた!きっと脳の活性化に役立つはずだ!集中力が続くのも普段では考えられないぐらいだし、何よりとても楽しそうだ。

 あまりに楽しそうなので、忘れていたことが…そう、大事なものはしっかりしまってしまうということ。お手玉を渡した次の日、「大事なお手玉がない!」と大探しが始まった。その探し物をしている姿が尋常ではない。顔に縦線‼できている。一緒に探すが、ない。大事なものをしまうお決まりの場所にも、今回は見つからない。以前靴が出て来たトイレまで探したが、だめ。そのうちに、義母のイライラがエスカレートしたので、これは大変!と急遽お手玉の代わりを作ることに。ただ、材料もあり合わせ。布地は何とかなるとしても、中に詰めるものがない。小豆などの豆類のストックはあったはずだが、虫がついては大変だし…と、昔娘のためにぬいぐるみを作った時のプラスチックの詰め物が残っているかもしれないと思いついた。大急ぎで端切れを縫い合わせ、プラスチックのペレットをいれて3個のお手玉を作り持って行った。「よし、これで落ち着いてくれるだろう!」と思いきや、中身がプラスチック玉では、軽すぎてジャグリングは難しいらしく、すぐにまた、大捜索に戻ってしまった。結局まる3日探し回ることに。私は何と罪作りなことをしてしまったのか!と嘆いていたら、義母からの電話。

お手玉、あったよ~!、デイケアで皆に自慢しようと思って、デイケアバッグの中に入れてるのを思い出したんだよ!もう物忘れ、卒業だね~!!」と明るい声。本当に良かった。近いうちに、予備のお手玉を沢山作っておこうと心に誓った。