高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

起立性調節障害を発症した理由 本人の性格・これまでの経験

 みゆきは、二つ年下の弟と二人姉弟。明るく活発で社交的。小学校、中学校の時は無遅刻、無欠席の健康な子だった。体育は苦手だったので、小、中学校ではスポーツ少年団や運動部には入らなかったが、小学校の6年間は、週1でスイミングをやっていた。それに小中学校とも、わりと遠かったので、行き帰りの徒歩で足は鍛えていたはずである。高校に入ってからは、運動部には入らなかったし、バスと電車通学だったので、確かに運動量は減っていたと思う。

 親が、わりと高齢になって生まれた子だったし、近くに祖父母がいる上、弟が姉に気を使う子だったこともあり、多少注目を集めて育ったところはあるかもしれない。姉弟とも幼少時から英語とピアノをやっていたが、弟の方は途中でスポーツを始めたために、ピアノも英語も中途でやめてしまった。一方、姉の方は高校を卒業するまでどちらもやめなかった。病気になってからも、おけいこ事は夜のレッスンなので、特に英語の方は高校卒業まで続けた。よく言えばまじめ。でも、このまじめさが病気を引き起こしたのではないかと思う。

 高校入学当初から、学校が楽しくてたまらない様子だった彼女。気の合う友人もたくさんでき、部活動もこの上なくエンジョイしていた。加えて放課後のおけいこ事も、とても充実していた。しかし、いつの間にか、学校から出る宿題の山にあっぷあっぷし始めた。夜中に電気をつけっぱなしで、寝落ちすることが増えた。この頃、何らかの手を打っておけば、と悔やまれてならない。

 同じ高校へ行った弟の方は、子供のころにおけいこ事をやめた経験があったし、小学生時代に、毎年インフルエンザにかかって数日休むということがあったので、途中で何かをあきらめても良いのだということ、休んでも良いのだということを身をもって知っていた。それに反して、無遅刻無欠席の経験を持ち、途中であきらめることを知らずにきてしまったみゆき。途中であきらめることを美徳として、わざわざ教える親はいないと思う。しかし、それでも良いのだということを経験できなかったという不運。

 途中で諦めなければならないことが突然降ってきたみゆき。彼女の心中は察するに余りある。