高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

認知症診断(物忘れ外来初診)

 かかりつけ医に紹介状を書いていただいて、義妹と私とで付き添って専門医を受診した。かかりつけ医が推薦してくださったのは、一つは近くの総合病院。市の認知症の中核病院だとのこと。もう一つは車で30分くらいの郊外の総合病院の物忘れ外来。実は私、どちらも行ったことがある。私自身が受診したことはないが、前述の認知症の中核病院には、夫の父方の祖母が晩年に入院していたところだ。やはり認知症だったのかもしれないが、鉄格子のある病棟に入れられていたのが痛ましく、とっさにあの病院は嫌だと思った。もう一つの病院は、私の父が認知症を発症してから亡くなるまで(あまり長い期間ではなかったが)数回通った病院。遠いのは不便だが、医師の明るさ、説明の明快さ、お人柄を信頼できると感じた。かかりつけ医は、どちらかと言うと、前述の認知症の中核病院を推しているようだったが、私は迷わず違う方の病院を選んだ。ここは、義妹や本人にも相談した方が良かったと後で思ったが、後々私が同伴することになる病院なので、私が気持ち良く通える病院を選ぶのは大切なことだと思えた。それに田舎で周りが知り合いだらけという環境で、近くの病院では知人に出くわすという煩わしさもあるだろうと思った。

 専門医受診の日、義妹と3人で私の運転する車で病院へ。遠い道のりは、久しぶりの楽しい歓談の良い機会になった。受診を嫌がるだろうと想像したが、本人も嫌がるそぶりはない。物忘れの自覚があって、本人も少しでも楽になりたいと感じているのかもしれない。

 コロナ禍だということや、予約制であることも手伝って、受診はスムーズ。本人への問診と(本人への問診結果は、本人のいないところで後に家族への確認があった)、家族問診があり、脳のCT撮影をしていただいた。本人への問診結果を見ると、自覚している部分もあるが、私たちが感じているほど困り感がないのが意外だった。紹介状と共に、前述の脳外科で撮ってもらったMRI画像も持参していたので、それも合わせての診断をいただいた。

 診断の結果は、アルツハイマーと脳血管型の混合型認知症。驚くことに、最近よく訴えていた膀胱炎的な尿道の違和感まで、推測できるとのお話。水分不足で起こっていると想像して、泌尿器科を受診していたが、実は尿道の違和感は、脳の異常で起きていたとは。昨年、脚立から落ちてケガをして、長期間入院したことが、認知症を悪化させたのではないかという推測も外れていた。実は脚立から落ちたのは、まさに脳の障害によりバランスが取りにくい状態だったからだ、という見立て。これにも心底驚かされた。

 プレタールとレミニールを処方され、毎日歩くことが大切だよとアドバイスをいただいた。今度の受診は1か月後。

 病名がついてしまったことに、義妹や本人はどんな反応を示すのだろうかと、心配だった。しかし二人とも至って平静。「さて、コロナ禍だけど、みんなワクチン接種を終えているし、お客さんの多くないレストランで食事して帰ろう」という義妹の提案に、義母も大喜び。「何年も外食していないから(?)たまには良いよね」と。

 私の心の中は、病名がついてしまったことと、以前三度もMRI画像診断をしていただきながら、異常なしと言った脳外科医への不信感と、これからの長くなるだろうと思われる道のりへの不安でいっぱい…。