高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

見守りのスタンス

 起立性調節障害のみゆきを支える時には、できるだけ先回りの手出し、口出しをしないようにと心がけてきたつもりだ。しかし、もしかすると認知症のサポートには、本人に気づかれないように、先回りの環境整備が必要なのかもしれないと感じている。

 手始めは、お薬カレンダー。間違ってしまうと危険な物は、先回りして危険を取り去る。2年くらい前から、郵便物の管理が苦手になってきた老夫婦のために、大きなボックスを用意して、新しい郵便物はまずはそれに入れてから整理しようと提案していた。結局無秩序にたまる一方の書類。先日、分類できる書類ケースを用意して、たまっていた書類を、夫と二人で一気に整理した。

 親の老いを直視するのは、しんどいのだと思う。夫はそもそも、介護(いや今のところは介護というより見守りの段階)にあまり協力的ではない。しかし、親たちにとって実の子供が関わることが何より大切だと思うのだ。そのためには夫や、彼の妹には状況を正確に知っていてもらわなくてはならない。親の方も実子に助けてもらえば、不必要な遠慮をせずに済むと思うから。私が手伝えば、申し訳ないという気持ちを少なからず抱えることになるだろうし、介護される側にとっても、心軽やかにいられることが、長続きの秘訣だと感じる。先日来、義妹がちょくちょく帰省しては、片付けを手伝ってくれているのも、病院に同行して、宣告を直に聞いたからだと思う。ついつい、常に傍にいて身の軽い私がやってしまうのをぐっとこらえて、子供たちとのパイプ役になることを心がけたいと思う。