高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

介護者の心の安定

 介護と言っても、まだ病人の生活全般を支えるような大変な介護は始まっていない。ただ物忘れが始まった義母の通院に同伴し、薬を管理し、買物を手伝い、探し物をするくらい。洗濯、掃除、食事の支度は義母がしている。週に2回午後から半日でかけるデイケアの日だけ、夕食をさしいれてはいる。

 みゆきが起立性調節障害を発症してしばらくしてから、フルタイムの仕事を辞めたので、今は週に1度、シーズンによっては週2度の短時間の非常勤の仕事だけ。なので義母の見守りに大きなストレスは今のところ全くない。

 ただ、義父の物忘れの症状が始まったとわかって以来、何だか心が落ち着かない。認知症診断よりずっと以前から、義母はよく「年をとっても、養老院のようなところには絶対に入りたくない」と言っていた。義父の介護も加わったら、どうなるのだろう。

 考え始めたら堂々巡りにいろいろな最悪シナリオが頭をよぎってしまうので、できるだけ普段は、何も考えないことにしている。と言ってもどうしても考えずにはいられない。ご自身のお母様の介護を長年続けた友人がよく言うのは「先のことは考えても仕方ない。問題が具体的になった時に考えれば、何かしらの方策は見つかるもの」珠玉の名言だと思う。

 まずは自分の心と体を整えよう。介護の相手が若者でも、老人でも結局は同じなのかもしれない。介護をする側が、健やかであることが肝心。