高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

角膜潰瘍

 今年はすごい年だ。年始の足の骨折に始まって、尿管結石の手術をして、退院から一か月もたたないうちに今度は目のトラブル。もともとリウマチにくっついているシェーグレン症候群のせいで、涙が少ない私。始終角膜トラブルを起こして眼科には定期的に通っていた。2年前は角膜障害が特にひどくて目が開けていられないくらいになってしまい、痛みをおさえるために治療用コンタクトレンズ(度のはいっていない瞼でこすらなくするためのレンズ)を使う治療をしていた。ところが、長時間入れっぱなしのコンタクトレンズには感染のリスクがある。それはわかっていて気を付けていたにもかかわらず、角膜感染症になってしまい、この年はその治療のため3週間の入院を2度繰り返すことになった。

 以降、角膜障害でどんなに目が痛くても、治療用コンタクトレンズは使わず、感染症のリスクから身を守りたくて、ストレス解消のためによく行っていたプールに行くのも辞めていた。それなのに、今回角膜感染症角膜潰瘍)の再発。確かに、今年は次々に健康トラブルが重なっていたので、帯状疱疹の予防接種とか、何か先回りして防げるものがあったら、やっておこうと思っていた矢先の出来事。まさか目にくるとは。尿管結石の手術をして強い抗生剤を使ったり、長く尿管ステントを入れていたりして、日頃の運動も全くできていなかったことも加わって、免疫が下がっていたに違いない。

 

 良いドクターとの出会いはとても貴重だ。まだ書いていなかったが、私の眼科医探しは、本当に長い旅だった。自己免疾患を持っている人は日本では珍しくなく、そのせいで角膜障害を起こす人の数は、決して少なくないと思うのだが、日本にはまだ私の知る限り、決定的な治療法がなく、多くの眼科で「私には治せないから、どこかよそへ行ってください」と言われた。まさか病院でそんなことを言われることがあろうとは想像もできず、驚き憤り、自暴自棄にもなりそうだった。

 この眼科探しの時期と、みゆきの起立性調節障害で苦しんでいた時期が重なっていたおかげで、自分のことで落ち込む余裕がなかったのは、あるいは私にとっては良かったのかもしれない。幸い2年前に角膜潰瘍を発症した時に紹介された今のドクターがとてもシンパシー、エンパシーのある方でそれ以降ずっとお世話になっている。「角膜障害は特効薬がなく対症療法しか今のところないけれど、早く良い治療法ができると良いね」と根気強く治療してくださるこの方との出会いは宝物だ。その方との出会い以来、以前持っていた絶望感や怒りの感情は持たずに済んでいるありがたさ。

 欲を言うなら、特効薬ができるといいとは思うが、見捨てず伴走してくださる方がいることが何より心強く嬉しい。

 

 2020年は義父の入院が2回、義母が大怪我で3ヶ月の入院をして、私の例の眼科入院が2回、普段はとても健康な夫がインフルエンザにかかるなど、本当に大変な年だったが、今年はどうか私だけのトラブルで終わってほしい。