高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

年末年始の大忙し

 

 コロナ禍になってからは、お正月もお盆も親戚の大勢でのディナーパーティーは全くしていない。しかし、義母の記憶にしっかりと刻まれているのは、長年やってきた義父母と我家の4人、義妹の家族5人、そして叔父ご夫妻の加わる13人の大きな食事会。なので、お正月が近づくにつれ、その準備のことで、義母の頭はいっぱい。とてもお料理上手で、大盤振る舞いの義母にとって、お正月とお盆は、一世一代のイベント。私がこの家族に加わってから、さてかれこれ30年くらい、ずっと変わらずやってきた行事。

 コロナ禍になってから、この行事は一切やってこなかったのに、義母にはその記憶はないようで、今年も大張り切りで、お正月の算段を始めている。そこで、義妹家族と叔父夫妻との日程調整が、気になって仕方がない。オミクロン株の話題が取りざたされる中、義妹の子供たちも、都会から帰省してくるので、両親の感染を気遣って、「今年は行けない」と何度も意思表示してくるが、義母の心には届かない。「いつ来るの?」と何度も電話を繰り返し、義妹の家族を悩ませたらしい。近くにいる私たちが、「今年は忙しくて、来られないみたいだよ」と何度説明しても、なかなか心に落ちない。今年は、義父母と我家の子供たちを含めて6人で、簡単なパーティーにしようと説得して「お料理も例年ほどは要らないね」と繰り返したが、結局、例年通りの料理の数々を、時間をかけて(例年の10倍以上の時間)仕上げたようだ。

 今年は、料理に本当に時間がかかった。まず、料理に使う具材の調達が大変だった。「お酢の物には何が必要だっけ?」と買物の度に、同伴の私や夫に尋ねる。何度尋ねてくれてもそれは、全く構わないが、具材をそろえるお手伝いをするのが良いのか、それとも「今年は作らなくて大丈夫だよ」と止めるのが正解なのか、結局最後まで悩んだ。しかしそもそも、出来ること、やろうとしていることにストップをかけずに応援するのが、私たちのモットー。でも、具材に悩んだり、お料理に苦戦している姿を見ていると、それが本当に正解だったのか判断がつかない。お料理を、「美味しい、美味しい」と楽しむ家族に、達成感は感じているようだが、その翌日の疲れた様子を見ていると、本当にこれで良かったのだろうかと思ってしまう。

 結局、私たちの判断が正しかったかどうかは、わからずじまい。しかし、達成感を感じてもらえたのなら、今年はこれで良かったと思うことにしよう。これからのことは、様子を見ながら、またその時々で考えていくことにしよう。