高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

みゆきの近況

 起立性調節障害を発症して、高校に行きづらかった娘みゆき。親元を離れて大学に行き、通学で歩くことが多くなり徐々に病気を克服していった。大学生活はとても順調で、完全に健康体になったかと思われた。しかし、大きな写真スタジオに就職してからしばらくして、思わぬ激務で適応障害を発症。その後、鬱の治療も経験することになる。激務の続いた職場を1年半で離れ、カメラマンのアシスタントになってから2年余、体調を大きく崩すことなくここまで来た。体力もつき、東京、大阪を車で往復したり、取材のために登山をしたりと高校時代の彼女には想像できなかった世界を体験できている。

 そのみゆきが、年末年始の休みで帰省した。大学、スタジオ時代の帰省期間中は、そのほとんどを眠り姫となって過ごした彼女だが、今回は少し違った。「食事だよ」と部屋の外から声をかけると、起きて来たし、起きてしまえばまた部屋に戻って二度寝するということもなく、以前の彼女とは完全に別人。ただ、起きて活動中に水分を摂り忘れると、まだ激しい頭痛に悩まされるようだ。日頃もこんなことがあるのかと尋ねると、「仕事中は、水分を切らさないよう心掛けている」とのこと。経験を重ねることで、自分自身の「取説」を会得していっているようだ。

 完治‼となかなかならないのが、きっとこの病気の特徴なのかもしれないが、「取説」ができてしまえば、上手に自分自身の体調をコントロールできるようになるのだろう。何事も経験‼顔色は、思ったほど良くないが、食欲はある。拒食症気味だった彼女はもういない。「これも食べたかった、あれもまだ食べていない」という言葉が聞けるとは…想像だにしなかったことだ。