高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

新たな課題

 認知症の義母、お薬のおかげか、最近ちょっと見には病気がわからないくらい調子がいい。イライラして義父と喧嘩をして大声でわめきたてたり、物を投げたりということがめっきり少なくなった。探し物をしている様子もない。

 私の体調がすぐれないことで、ここのところ週1の買物に同伴するのはもっぱら私の夫。彼が買物の同伴を重ねることで、義母のこと、病気のことを理解しやすくなったか、慣れたのか、義母が何度も同じことを言ったり、質問したりすることをガミガミ怒ったり、冷たくあしらったりしなくなった。そうすると、義母は息子に心を許すようになり、リラックスして、これも認知症の症状の改善につながっているに違いない。まさに好循環。調子が良いから、庭仕事も楽しく、庭仕事に精を出すせいで、体力もついてくるし、庭仕事のリラックス効果は素晴らしい。

 つい先日、認知症の治療をお願いしている病院へお薬をもらいに行ったが、そこでも義母の顔を見るなり「調子良さそうね!」と褒められたばかり。義母もそれはそれは嬉しそうだった。

 こうして好循環が続くと良いなと皆が思っていた矢先、義母が「自転車が欲しい」と言い出した。確かに調子も良いので、本人、自転車位なら乗れそうな気がしたのだろう。気温も上がってきたので、散歩して買物に行くのは確かに難儀かもしれない。もともと、車の免許を持っていていろんなところに自由気ままに出かけていた人なのでその気持ちが強いのはわかる。しかし…そもそも脳機能が衰えていたことで、梯子から落ちて大怪我をしたのだ。バランスの悪い自転車は非常に危ないはずだ。

 傷つけないように、気分を害さないように注意しながら、でもはっきりと自転車には乗ってはいけないのだよと諭そうとする夫。でも義母はあきらめきれない。手を変え品を変え、あらゆる人を説得しようと頑張っている。あまり耳の聞こえない義父を説得しようとしたり、私を攻めたり…「週1じゃなくても必要なものがある時はいつでも一緒に行きますから」という私の言葉は、絶望して立腹した義母の心にはなかなか届きそうにない。雨のどんよりした天気のように、今まで調子のよかった義母の調子がぐんぐんと下がるのを見ているのが辛い。