高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

義父母の激しい口論

 義父は義母が認知症だということを認識している。なので義母の物忘れを嘆きながらも、お薬を飲み忘れないようサポートしたり、義母が通帳などの大切なものをしまう時には気を付けて見ていてくれたり、辛抱強く見守ってくれていることが痛いほどよくわかる。しかし、義母がイライラしたり、怒鳴ったりすることが、病気のせいだということを、義父はいくら説明しても理解できないようだ。義母に怒鳴られたら、倍の大声で怒鳴り返したり、終いには物を投げたりもする。「認知症の方には、怒鳴らず、そうだね、そうだねと肯定するのが大事なのですよ。そうすればその優しさが返って来るのですよ」と説明するが、その声はどうしても届かない。義父が大声で怒鳴り返すと、義母の具合はみるみる悪くなり、感情的にも不安定になるし、物忘れの症状もものすごく悪化するのが、傍から見るととっても良く見えるのに、渦中の人には見えないらしい。

 義母の不調は、ここのところマックス。「連れ合いがとっとと死んでくれれば、どんなに幸せだろう」と相手かまわず公言してしまう。本人にもそんな言葉を浴びせている様子で、悲しくてやりきれない。どうにか、義父母が離れる時間ができるように、義母のデイケアへ行く回数を週2から週3に変更することにした。でもこれはこれで、リスキーだと私は思っている。離れる時間ができるのは好都合だが、外出をする回数を増やすと義母自信が体力的に疲れて、余計帰宅してからの義父との時間がしんどくなるのではないかと危惧する。本来ならば義母が家に居て体力回復をしている時間に、義父の方にどこか楽しいところに出かけてもらうのが最善だと思うのだが、そのためには義父の介護認定を受ける必要がある。それには実子たちの了解が要る。でも彼らが動かない。「とっとと死んでしまえ」と罵りあっている現場を見る機会がないからに違いない。私が実子たちにその事実を伝えても、何か響かないのは、私がことさら大げさに誇張しているとでも思っているのか。それとも関心がないのか。

 介護認定なしに義父に出かけてもらえるところというと、どこかの施設のお試し体験だろうか。ぜひ、外出先で介護のプロから大切にケアしていただく心地良さを義父に味わってほしい。義母の認知症のせいで、お食事が単調で、栄養の偏ったものになっている事も、外の栄養管理された食事で挽回して欲しいとも思っている。外での心地よい体験で、介護認定を受けて、外に出かけたら、風通しが良く、楽しい場所があるということに気づいてくれたら嬉しい。これを当たり障りなく提案できるのは、きっとケアマネさんなのだが、義母のケアマネさんと、阿吽の関係が取れていないことが残念だ。ちょっとケアマネさんとじっくり膝を突き合わせてみよう。