高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

事故に遭った!

 義父が事故にあった。朝夕2回が日課の、朝の散歩の途中のこと。道端にかがんで、道路脇の側溝のつまりを、杖を使って流す作業をしている最中のこと。後ろから来た乗用車が少し義父に接触したのか、あるいは急に車の音がして驚いて転倒したのかは定かではない。転倒で、おでこを擦りむき、足を捻ったか、タイヤに踏まれたか…左足の甲にやはり擦りむき傷。最悪なことに、ちょうど私は義母の美容院に同行中で、パーマと染髪の長い外出中だったので、帰宅したのは午後になってから。帰るなり、おでこにケガをした義父を見て、義母は半狂乱状態。

 痛みもほとんどなく、大した怪我ではないから、病院へは行かないと言い張る義父に、義母は怒り心頭。大声で喧嘩をしているのが我家まで聞こえてきて、飛んで行った。2020年に慢性硬膜下血腫の前歴のある義父なので、頭の怪我は放っておけない。有無を言わさず、脳外科へ。幸い、脳にも頭骨にも異常はなく、頭の傷は全治2~3日の軽傷とのことで、胸をなでおろした。ただ、意外なことに足の傷のほうが重症だった。挫創は大したことは無いが、足指の骨折があるというのだ。脳外科では、骨折の治療はできないということで整形外科へ紹介状を書いていただくことに。その時点でもう夕方6時。整形外科の受診は翌日以降に延期しなければならなくなった。しかし翌日は祭日。休日在宅医を探さなければならない。

 ここからが本題。車の通りが少ない静かな住宅街を穏やかに散歩していた義父が事故に遭ったという事実は、大きな驚きだった。頭を打っているようなのでそれも非常に怖かった。事故の一報を受け、すぐに半休を取って病院に合流した夫。それは心強かったのだが、その後のこと。翌日整形外科を受診するように言われて、夫が私に言った一言に凍りつた。「明日、あなた仕事休むよね?」翌日私は、2週に1度の数少ない仕事の日。彼の方は祝日なので当然休み。一瞬、彼が何を言っているのか理解できなかった。察するに、今まで父親の病院受診にあまり付き添ったことがなかったので、自信がないということだったのかと思う。初めて行く病院では問診票に病歴などの詳しい医療情報を記入しなくてはならないので、それが不安だったのかもしれない。今まで、フルタイムで働いていない私が、義父母の通院に当たり前のように付き添ってきて、私自身疑問に感じることも不平を感じることもなかったが、夫も当然と思っていたようだということに愕然とした。

 ここは断固として、断らなければと思った。「明日の仕事を前日にキャンセルすることはできません。明日はあなたが同伴してください」と、今までに経験がないほど、キッパリ、ハッキリとお断りしたら、見たこともないほど驚いている様子の夫。これで私の気持ちは通じただろうと期待したが、残念ながらそうでもなかったらしい。病院から帰って来て、「足の挫創が乾ききるまでは、毎日消毒のために1週間くらい通院しなくてはいけないらしい。その後も週に1度レントゲンを撮って経過観察が必要みたい」と言う。その後の言葉がないのだ。フルタイムで働いている夫。なので次の日からの通院は当然私が付き添わなければならないのだろう。脳外科の受診後の連絡を受けて飛んできた義妹の反応も全く同じ。「毎日通わないといけないんだね」たったそれだけ。

 今まで長いこと安易に家族の便利屋になってきた自分を大いに反省している。さて、この気持ち、どのように夫や義妹に伝えるか非常に悩ましい。悩ましいけれど、自分の精神衛生上、何としても、はっきりと一言言っておきたい。