高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

確認のための面会

 医師との面談からたった2日しか経っていないが、先日の母がご機嫌だったことをもう一度確認したくて、また仕事帰りのきれいめな格好で会いに行った。前回、「いい大人だからきちんとした格好をしなさい」と言われたことを受けて綺麗目の格好をして。

 今回は、病棟の皆さんでカラオケ大会をしている最中だった。音楽の好きな母は、歌っている患者さんがしっかり見える所に陣取って、手拍子をしていた。笑顔ではないが、近くに座っている他の患者さんと何やら会話をしている様子。転院前にお世話になっていた病院では、朝から晩まで泣いて泣いて、魅力的な音楽療法の時間も、大好きな塗り絵や手芸などの作業療法にも加われなかったと聞いていたので、驚いた。ここで暫定的に出していただいている薬が合ってきたのか、母が病院生活に慣れて来たのか、今日はたまたま調子が良いのか、それは判断できない。

 今日は、前日感じの悪かった看護師さんがいた。もしかすると母の担当看護師さんなのかもしれない。開口一番「ちょうど良かった。娘さんからしっかりお母さんと約束してほしいことがあるの」と言いながら母を無理やり面接室に連れて来た。どうも母がしっかり食事をしないことが多く困っておられるとのこと。母が食事がとれず困るという表現には、何となく違和感がある。「病院内で活動量が少ないことで食欲がわいていないから、食べれるだけ食べているのではないかと思うし、母が食事をしないことでどうしてあなたが困るの?」と、咄嗟に反論しそうになったが、思いとどまった。食事をしないと、生活リズムが作りにくいし、脱水症状を起こしては危険だから、あんなふうに言って下さるのだろうと思い直した。そして母には、その方の前で「お食事をしっかり摂ることは、生活のリズムを作るのに大事だし、これから暑くなるので食事で水分を補給しないと脱水症になりやすいから、きちんとお食事しましょうね」と伝えた。私の見慣れぬ洋服に興味津々の母には、聞こえている様子ではなかったが、看護師さんには、私の望む母への伝え方が伝わったかな。

 前回ほどハイテンションではないが、会話の受け答えができ、状況把握はできている様子に安堵。今日は「お洋服、色はきれいだけど、デザインがちょっと」と呟いた母。「そのデザインはだめだわよ」と言わないでくれてありがとう。人を傷つけないようにしたいという思いは母の中にもあるのかもしれない。