高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

退院から一週間

 母の退院から1週間。部屋にテレビを入れ、ラジオを追加し、編み物のセットと一人で遊べるゲームを持参して「どうやって長い一日を過ごしたらいいのさ」に答えて来た。できるだけ、行ける誰かが日に一度は訪問し、冷蔵庫のない不自由を補うべく、お菓子や果物、飲み物を届ける。 一番の気掛かりだった、田舎の母の家も買い手が付きそうになり、その吉報を何度も報告して、母の気分を上げる。

 しかし、まだ新しい生活に馴染めていない様子の母。要支援1でも使える介護サービスを使って、デイケアやリハビリに通う手配も始めた。日にち薬で、だんだんと慣れてくれると良いのだが、まだまだ「病院へ帰りたい」とブツブツ。でもよく話を聞いてみると、さすが小規模の施設。食事は美味しいらしい。畑のお野菜もふんだんに使って下さっているそうだから、さもありなん。「どうせ、病院へ戻っても、お薬は今頂いているものと同じなのだから、お食事だけでも美味しい方が良いのでは?」と言うと、「まあそうだけど」と気のない返事。

 リハビリを始めて体力が回復したら、少しずつ外出も増やして、景色を楽しむドライブをしたり、美味しい食事に連れ出せるようになれば、少しは今を楽しめるようになるだろうか。