高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

認知症が進んでいる

 まだ、普通の知的会話はできる。初めて会った人なら、義母の認知症に気づく人は少ないかもしれない。しかし、本当に少しずつではあるが、できないことが増えているようで辛い。以前は朝と夜のお薬をカレンダーに私たちが貼り付けて、食後に自ら確認しながら飲んでもらっていたが、今は義父が食事の度毎に義母の目に付くところに薬を置いて下さり、食後に飲み忘れないよう声掛けをしてくれているようだ。食事もレパートリーが減り、調子の悪い時には冷蔵庫の中身を見て、何が作れるのかわからなくなることもしばしば。「今日は野菜炒めでもしましょうか」と声をかけ、食材を全部目の前に並べてみても、どこから手を付けて良いのかわからなくなることもある様子。ちょっと私に用事があって出かけてしまうと、朝昼晩全部菓子パンで済ませてしまうこともしばしば。そして何より、始終イライラして義父を怒鳴り散らすことも前より増えた。

 義父は義母より4歳年上。変形性膝関節症で両方のひざを手術しているので、歩きは良くないが、以前のような痛みは少ないとのこと。ひどい難聴もあり、義母との会話には大きな困難を伴うが、生活する上で自立度は高く、お風呂もトイレも自立。多少の物忘れはあるが、生活に支障がでるほどではない。なので、介護申請をしても介護度が付くとは思えない。

 しかし、難聴でしかも典型的な昭和の男性なので、義父は家事を一切しない。とはいえ以前義母が働いている頃には炊事、洗濯、掃除を手伝っている姿を見ることもあった。しかし今は日がな一日テレビの前で横になって過ごすことがほとんど。多分それは、義父が年を取って、体がしんどいせいだろうと思うのだが、それは多分義母も理解しているはずだ。しかし、体は思うように動かなくても、認知機能の衰えていない義父が、当然のように何もしないことが義母には面白くないらしい。体が健康で思い通りに動く自分だけが、認知症のせいでテキパキといろいろなことをできないにもかかわらず、何もかもの家事を自分だけが背負わなければならないことに不公平感を募らせているのだ。気持ちは本当に良くわかる。

 自分が以前容易にできたことをテキパキとこなせず、自分自身イライラしているところに、一日寝て暮らせる夫に憤るのは理解できる。できることなら、イライラを募らせないように二人が離れて過ごす時間がたくさんあると良いと思うのだが、義母が週に2回デイケアに行く時間以外に離れて過ごす時間は少ない。義母を散歩に連れ出したり、買物に連れ出したり工夫をするが、その外出で気分転換ができたとしても、帰宅すると、テレビの前で横になっている夫を見て、また怒りが爆発してしまうようだ。

 義父を外に連れ出す良い手段はないものか。歩きが不自由なので、最近はめっきり散歩をしなくなってしまった義父。義父にとっても外出で気分転換するのは良いことだと思うのだけれど。夫や義妹がドライブにでも連れ出してくれたら良いと思うのだけど…。