高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

2度目の認知症検査その後

 MMSEの結果は2ポイントアップした義母だったが、年末の慌ただしい最中、どうも調子が良くない。前回のお正月は、ちゃんと出来るかなと戸惑いつつも以前と同様の酢物、筑前煮、ちらしずし、黒豆を大量に作ってくれた義母だが、今回は「何を作ったらいいのかもわからないし、何を買ったらいいのかもわからない」と嘆くので、「大丈夫、今年は得意なお酢物だけお願いします」と注文した。酢物は、毎週買物に連れて行く対価によく作ってくれるお決まりのお得意料理だからだ。ただ、いつもは新鮮な鯵を入れて作ってくれるが、お正月用は長持ちさせたいので、鯵の代わりにタコを入れようと提案したら、失敗だった。一緒に買物に行ったときにタコを買って帰ったら、その日のうちから、買った覚えのないタコがあると大騒ぎ。「それは、酢物に入れる分です」と説明するが、「これはあなたが要るから買ったんでしょ?はやく持って帰って」となる。直前まで私が預かれれば良かったのだが、我家の冷蔵庫もパンパンだったせいで、義母をものすごく動揺させてしまったようだ。

 見覚えのないタコが冷蔵庫に入っていたせいで、ひどく動揺した義母だが、買ってきた夜には、「タコがあったから、珍しく酢物に入れて食べてみたら、とてもおいしかった」と言う。あれれ、お正月用のタコの酢物、もう食べてしまったのね。結構な量のタコだったけど…ま、いいか!

 朝から家族で食事すると、お互い準備が大変なので、決まって昼食を共にするのが暗黙のルール。今までは、義父母の娘と息子の家族に加え、子供のいない叔父叔母まで一緒に食事していたので総勢14人ほどの大宴会だったが、最近では娘家族にも家族が増えたので、昨年から我家に大集合することはなくなった。なので、今年は義父母と私たち夫婦とみゆきとの総勢5人の小さな食卓。今回はみゆきの弟が修論で忙しいらしく年末に数日帰省して、31日にはいなくなってしまったので、いつになくひっそりとした新年会になった。

 義母が作ってくれたのは、タコの酢物とお吸い物。タコ酢物は予定通りだが、「何か知らんけど冷蔵庫にタコが余っていたから、酢物に入れた」とのこと。(結果オーライだ)吸物は毎年作っていたから、作ったんだそうだ。義母の吸物は大量の鰹節と昆布で出汁を引くので、格別においしい。大きなゆで卵を入れるのが義母流。いつもの習慣で、ゆで卵が15個も作ってあった。ちょっとお味は濃いめだったが、いつも通りおいしいお吸物に家族は大感激。タコの酢物もとてもおいしかった。

 残りのご馳走は、私が作った。たった5人で小さいテーブルを囲むのだし、未だコロナ禍なので、一人分ずつを皿に盛ったのだが、これは大失敗。結構な品数あったはずなのに、太っ腹で豪胆な義母には、けちっぽい料理に見えたようで、「今年はご馳走なかったね」を連発されてしまった。

 今までのような、義母の太っ腹料理の数々が並ばないお正月は初めてのことで、とても寂しい思いをしたのは、きっと私だけではないはずだ。でも、こうして義父母がそろって健康でいてくれるお正月は貴重だと感謝しよう。来年はもう少し工夫して、義父母も満足できるよう頑張ってみよう。