高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族のあゆみ

高校生で起立性調節障害を発症した娘と家族の記録

老人は頑固なものなのか?

 実家の母の心具合が悪い。久しぶりに実家に連泊して一緒に食事したり、散歩したり体操したり、歌を歌ったりしてみたが、その時は一瞬付き合ってはくれるものの、何かしていないと暗~くなって黙って俯いて考え込んでしまう。友人に相談すると「一人暮らしって、気楽だけど、とてつもなく不安で怖くて泣きたくなるし、泣いても、ひとりなんだなって実感するものなのだよ」と返って来た。友人や母が、そんな所にいるのかと思うと、何とも言えず悲しく申し訳なくやるせない気持ちになる。私は友人にも、母にもそんな思いをさせていたのだ。確かに、私自身も独身時代が長かったので、その、そこはかとなく不安で怖くて泣きたくなる気持ちを抑えきれずに眠れない日々を過ごしたことがあった。だからその気持ちは分かる。痛いほど。

 病院へ連れて行って、安定剤を出してもらったら、少しは落ち着くのではと、「病院へ行ってみようよ」と誘うが、「病院では解決しない」と言うし、「しばらく私たちの家に泊まって、一緒に楽しいことしようよ」と誘っても、「楽しいことがしたいわけじゃないし、お守りが必要な幼児でもない」と固辞。でも「一人で置いておくのが不安なんだよ」とも言えない。母は軽度だが難聴がある。聞こえが悪いと、大勢の中に居ても疎外感があるだろうし(大勢の中にいる場面は今のところないが、将来的に施設などに入った時の心配を始めている私)、何もかもがぼんやりとしてクリアな思考にならないような気がして、「耳鼻科に行って補聴器を作ろう」と提案しても、「今は必要ない」と言う。確かに、どの提案も心具合の悪い最中の母には的外れなものに思えたに違いない。でも、何とか気を逸らしたいのだよ。私が不安でたまらないのだよ。

 今週から、半年間だけだが、私の忙しい時期が来る。本当に小さな仕事だけれど、私にとってはとても大事な”私の生きる意味”のようなそんな仕事。そんな時にこの母の不調。どうしたらいいのだろう。どこに助けを求めたら良いのだろう。